「昔、クリストファー・アレグザンダーは、伝統的な町が新しく計画された町に対して、何故調和しているのかという基本的問題について、それを無自覚なプロセスというキーワードで明瞭に説明した。それは全体の調和を壊してしまうような力が、それぞれの主体にはなかったからである。どうやろうとも調和は崩れようもなかったのだと。しかし彼も言うように、その世界はとうに過ぎ去っている。この自覚された社会においては、無自覚に何かをすると、すぐに精妙なハーモニーは崩れ去る。じゅうぶんに自覚された無自覚なプロセスへの検討が、現在の住まい造りにおいては欠かせないのである。」(中谷礼仁「住まいは誰のものか」)