「我々のような平凡が人間が、どう、いい建築をつくっていくか。大事なのは、平凡性を高めるということです。私の建築は、この『俗』が常にテーマです。俗語の本質、これが大事なんですね。俗語の本質とは、『面白い』ということです。パチンコ屋に行ったり、競馬場に行ったり、ストリップ小屋に行ったり、というあの俗っぽい世界。高貴の世界というのは面白くないんです。道徳の世界は面白くないんです。しかし、『俗』をテーマにして『俗』に落ちてしまったらだめです。『俗』をテーマにしながら『俗』を離れないといけません。『俗』の中にこそ面白いものがあるのですから、難しい本を読んで哲学者みたいな顔をしていたら、ろくなことがないと思います。建築家は勇気を持って俗の中に浸らなければいけないと思います。」(出江寛)